クルクルは受け継がれる。

両親共に癖毛である。

父はふんわりカールがかかった猫っ毛。

母は「パンチパーマとれかけ?」と聞かれそうなクルクル癖毛。

そんな2人の血を色濃く受け継いだ私が癖毛にならない訳がない。

小さい頃は強制的にマッシュルームカットにされていたため気付かずにいたが、お年頃になると段々「アレ?」と思い始める。

母程クルクルしてはいないが、かと言ってブラシで梳かしただけでは全く髪が言うことをきかない。あっちを立てればコチラが立たず。学生時代は肩まで伸ばした髪を引っ詰め、ぴょんぴょん跳ねるおくれ毛などはアメピンでパチパチ留めていた。

社会人になる頃にはストレートに憧れて今まで地元の知り合いのおばちゃんがやっているパーマ屋さんではなく、都会の美容室に勇気を出して行ってみる。

「ストレートパーマお願いします!」ドキドキしながらスタイリストさんに伝えると一度は笑顔で「はい」と返事してくれたが、私の髪に触った途端曇り顔。他のスタッフさんも集まり私の後ろでヒソヒソ会議が始まった。

『髪質が…』

『うねりが酷いね…』

『中に行く程うねってるよ…』

鏡越しにスタッフさんの表情を見てダメなのか?と思っていると

「お客様の髪質ですが…クセが思ったよりも強くてストレートかけてもすぐにとれてしまうと思います。どうしてもと仰るならかけてみますが、恐らく無駄になってしまうかと」

もう二十年以上前に言われた台詞ですが、いまだに覚えている。

悔しいやら恥ずかしやら。

しかし、ここまで来た手前タダでは帰れない。

そう思い「いいです。ストレートパーマかけてください」

もう意地。

数時間後

鏡の中には今までとは違う自分が!

髪型一つで人間はここまで変わるのかと。

さすがプロ。

なんだかんだ言っていたが、ちゃんと仕事してくれていた。

お礼を言い、お金を払って美容室を後にする。

もう怖いものなんて何もない。無敵!

家族にも評判良く、気分良く眠りについた。

次の日の朝

鏡の中にはいつもの癖毛が酷い自分が…

スタイリストさんの魔法は一晩で解けてしまった。

一週間以内なら千円でなおしてくれると言われていたが、再び美容室に行く気力も無く…そこから私の人生いつでもまとめ髪で過ごしている。

どうしてこの体験を書き出したのか。それは私の髪質を受け継いだ中一の娘がヘアアイロンを使用しだし、毎朝鏡の前で奮闘しているからである。